家の空気が悪いと感じたことはありませんか?実は子どもは大人より空気の影響を受けやすい。体の中の「ビーカー」の話から、建築士が子どもと空気環境の関係をわかりやすく解説します。
2026/04/21
先日、妻と海岸を散歩してきました。
4月に入って風が暖かくなってきて、波の音を聞きながら歩いていると、ふと深呼吸したくなるんです。潮の香りが混じった空気を胸いっぱいに吸い込むと、体の中からすっきりする。
正直に言うと、自然素材の家に住んでいると、普段は自分の家の空気の良さってわからないんです。慣れてしまうんですよね。でも、外で深呼吸して「気持ちいいな」と感じた後に家に帰ると、ふと気づくんです。「ああ、うちの空気も悪くないな」と。
今日は、私がずっと気になっている「子どもと家の空気」の話をしたいと思います。
家の空気が悪いとき、一番影響を受けるのは誰か
以前のブログで、人は1日に食べ物を約2kg、空気を約20kgも体に取り込んでいるという話をしました。
でも今日お伝えしたいのは、その先の話です。
同じ家に住んでいても、大人と子どもでは空気の影響がまったく違うということ。
子どもは体が小さいですよね。でも、呼吸の回数は大人よりずっと多い。東京都の「化学物質の子供ガイドライン」によると、体重1kgあたりの呼吸量は大人が約0.3m³なのに対して、子どもは約0.6m³。約2倍です。
つまり、同じ部屋にいても、子どもの方がはるかに多くの空気を体に取り込んでいるんです。
そしてもうひとつ、意外と知られていな ことがあります。
建材から出る化学物質の多くは、空気より重い。つまり、床に近いところに溜まりやすいんです。「なんとなく家の空気が重い」と感じたことがある方もいるかもしれませんが、それは気のせいではなく、実際に床付近の空気は化学物質の濃度が高くなっていることがあります。
赤ちゃんはハイハイをして、床に顔をつけて遊んで、その高さで呼吸しています。まさに、化学物質が一番濃い空気を吸い続けているということです。
体の中の「ビーカー」の話
化学物質の影響を説明するとき、私はよく「ビーカー」の例え話をします。
想像してみてください。人の体の中に、透明なビーカーがひとつあるとします。日々の暮らしの中で、建材や家具から出る化学物質が少しずつそのビーカーに溜まっていく。普段は何も感じません。
でも、ある日ビーカーが溢れる。
そのとき初めて、アレルギーやシックハウス症候群として症状が出る。これが、化学物質過敏症のメカニズムのイメージです。
ここで大事なのは、ビーカーの大きさは人によって違うということ。
大きなビーカーを持っている人は、多少の化学物質が溜まっても平気かもしれません。でもビーカーが小さい人は、同じ量でも溢れてしまう。
そして、子どもはビーカーが小さい。
体が小さいからビーカーも小さい。なのに、体重あたりの呼吸量は大人より多い。つまり、ビーカーが小さいのに、注ぎ込まれる量が多い。大人より先に溢れやすいんです。
家の空気が悪いことに気づけない理由
厄介なのは、空気は目に見えないということです。
壁や床に使われている建材から出る化学物質は、目に見えません。匂いも、住んでいるうちに慣れてしまいます。だから原因に気づきにくい。
特に子どもは「なんかだるい」「頭がぼーっとする」とは言えても、それが空気のせいだとは言えません。親御さんも「疲れてるのかな」「風邪かな」で済ませてしまうことが多いのではないでしょうか。
私がこの仕事を始めた理由
実は、私自身がそのビーカーの小さい子どもでした。
幼少期、ひどいアトピー性皮膚炎に悩まされました。体中がかゆくて、夜も眠れない。当時は原因がわかりませんでした。
大人になってから、まず食事が体に大きく影響することを知りました。添加物や農薬のこと、体に入れるものの大切さ。それだけでも意識が変わりました。
そして建築の仕事を始めて、もうひとつ気づいたんです。建材に含まれる化学物質が空気を通じて体に入ってくること。食べ物だけじゃなく、空気も「体に入れるもの」だった。しかも、食べ物の10倍の量を。
あの頃の自分みたいな子どもを、少しでも減らしたい。それが、自然素材の家づくりを始めた原点です。
親が「選べる」うちに、選んでほしい
食べ物のアレルギーなら、原因がわかれば食べなければいい。でも空気はそうはいきません。家にいる限り、24時間ずっと吸い続けるしかない。
しかも、ビーカーは一度溢れると元に戻すのが大変です。花粉症と同じで、一度発症すると付き合い続けることになる。
だからこそ、ビーカーが溢れる前に、空気環境を整えてあげてほしい。
子どもは自分で家を選べません。自分で建材を選べません。親が「この家の空気は安全か」を考えてあげるしかないんです。
「子どもが元気に育つ家」って、間取りや日当たりだけの話じゃない。家の空気が悪いか良いか。一番大事なのは、毎日吸っている空気なんです。
次の一歩
海岸で深呼吸したときの、あのすっきりした空気。あれに近い空気が家の中にあったら、お子さんにとってどれだけいいか。
モデルハウスに来ていただければ、ドアを開けた瞬間に空気の違いを感じてもらえると思います。特にお子さんのいるご家庭は、ぜひお子さんと一緒に来てみてください。子どもの方が敏感に感じ取りますから。(笑)
家族の健康を守る家づくり、一緒に考えましょう。
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