窓から見える庭の木一本で、家の中に「心が静まる場所」をつくる|火を眺める時間と、事務所の桜の木(常滑市の一級建築士)

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窓から見える庭の木一本で、家の中に「心が静まる場所」をつくる|火を眺める時間と、事務所の桜の木(常滑市の一級建築士)

2026/10/22

先日、毎年恒例の大学の友人と中津川の方へキャンプに行ってきました。意外とキャンプ場は空いていました。一時期のキャンプブームは終わったのかな。それか、キャンプ場の認知度がまだ低いのか。ぼーっと火を眺めているだけでも心が静まります。たくさんの鳥たちのさえずりが聞こえる。帰りは栗きんとんを買って帰りました。

キャンプの焚き火

今日は、暮らしの中に「心が静まる場所」を持つ、という話です。


事務所の桜の木を眺めながら

事務所だと、庭に見える桜の木を眺めながら、いろいろ考えます。休憩時間にぼーっとする場所。今は桜の木は葉っぱが紅葉し始めて、特に華やかさはないのですが、季節による移り変わりを感じることができます。

事務所の庭の桜の木

キャンプの火と、事務所の桜の木。場所も時間の長さも違いますが、どちらも「ぼーっとしていられる」という点では同じです。ただ眺めているだけで頭の中の忙しさがおさまっていき、キャンプ場まで行かなくても、桜の木一本でその時間は持てる気がします。


心が静まる場所は、特別な場所でなくていい

以前、自宅の屋上で海を見てぼーっとする話を書きました。あれは、言ってみれば家の中の「特別な場所」です。屋上やウッドデッキのように、わざわざそこへ上がっていく場所。それはそれで良いものですが、毎日使うかというと、そうでもありません。

一方で、事務所の桜の木は、机に座ったまま目をやるだけです。休憩の時間、コーヒーを飲みながら窓の外を見る。そのくらいの場所です。けれど、毎日のことなので、積み重なると結構な時間になります。心が静まる場所というのは、どこか遠くにある特別な場所というより、こういう「毎日の暮らしの中で、ふと目をやる先」なのかもしれません。

ちなみに、庭という言葉のもとは「ゆにわ」で、神さまを迎えるために清めた場所のことだった、という話を聞いたことがあります。家と庭を切り離さず、外の自然を暮らしの中に引き込んでいたのが、日本の住まいの古い形だったのだろうと思います。桜の木一本でも、それが窓から見えているだけで、家の中に季節を感じることができます。


設計でできること|窓の位置と、庭の木

ここからは、設計者としての考え方です。

家の中に「ひと息つける場所」をつくるのに、特別な設備はいりません。大事なのは、窓の位置と、その窓から何が見えるか、です。窓は大きければいいというものではなく、「座ったときに何が見えるか」で決まると思っています。ダイニングの椅子に座ったとき、ソファに腰かけたとき、キッチンで手を止めたとき。その目線の先に、木の葉が揺れている、空が見える、遠くに海や田んぼが見える。そういう窓が一つあるだけで、家の中の時間の流れが変わります。

このとき気をつけたいのが、目線の高さです。立って見る景色と、椅子に座って見る景色は、同じ窓でもまるで違います。座る場所が決まっているなら、その高さに合わせて窓の位置を決める。また、外から家の中が丸見えになる窓では、落ち着いて眺めるどころではありません。見せたいものだけが見えて、見られたくないものは見えない。そういう調整を、図面の段階でやっておきます。

庭に植える木も、たくさんはいりません。一本でいいと思います。春に花が咲いて、夏に葉が茂って、秋に色づいて、冬に葉を落とす。その一本を、家の中でいつも眺める場所から見える位置に植える。そうすると、季節を感じる家になります。事務所の桜の木が、まさにそれです。

間取りを考えるとき、私たちはつい、収納の量や動線の短さといった「便利さ」の話が多くなってしまいます。それも大事なのですが、「この家のどこで、ぼーっとするか」ということを考えておくのもいいと思います。その場所が決まると、窓の位置も、庭の木の位置も、自然と決まってきます。


常滑・知多半島は、眺めるものに困らない土地です

常滑市や知多半島は、海が見える土地、田んぼや里山が近い土地が多くあります。眺めるものには困らない。せっかくそういう土地に家を建てるなら、その眺めを家の中の一番落ち着く場所から見えるようにしておきたい。土地を見に行くときは、建物の大きさや日当たりだけでなく、「ここに座ったら何が見えるか」という目でも見ると楽しいと思います。

火を眺める時間も、桜の木を眺める時間も、何かが生み出されるわけではありません。けれど、そういう時間がある暮らしと、ない暮らしでは、家の中の空気が少し違ってくるように思います。心が静まる場所を、家の中に一つ。それが、心豊かに暮らすということにつながっていくと思っています。



常滑市・知多半島で自然素材の家づくりに興味がある方、ぜひ一度モデルハウスを見に来てください。営業は一切しません。見るだけでも大歓迎です。

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