症状が出る前に気づく|家の点検は、体の健康診断と同じ

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症状が出る前に気づく|家の点検は、体の健康診断と同じ

2026/06/18

先日、自分の体のことであらためて考えさせられることがありました。きっかけは、メタトロンという機械で体の状態を測ってもらったことです。

メタトロンというのは、体の各部位が出す周波数を測って、「ここに気をつけてね」という危険信号を教えてくれる機械だそうです。興味本位で測ってもらったら、普段は意識していなかった部分にサインが出ていて、はっとしました。数字がどうこうという話ではなくて、ただ「自分の体に、もっと早く目を向けてもよかったんじゃないか」と、ふと思ったんです。

私は先日、59歳になりました。長く家づくりに携わってきて、この歳になると、体を労わることの大切さが、若い頃よりずっと実感としてわかってきます。毎日できるだけ散歩をして、口に入れるものにも少し気をつける。たいしたことではありません。ただの当たり前です。でも、その当たり前を「自分との約束」として続けることが、これからの暮らしを支えてくれる気がしています。

歳を重ねると、体が出す小さなサインに、前より自然と敏感になるものですね。そして、あるとき気づいたんです。これは、家とまったく同じだなと。


家も、症状が出る前に「不調」を抱えている

人の体は、いきなり倒れるわけではありません。たいていは、その前に小さなサインを出しています。なんとなくだるい。眠りが浅い。階段で息が切れる。そういう声を聞き逃して、無理を重ねたときに、はじめて「症状」として表に出てくる。

家もまったく同じです。ある日突然、壁が腐るわけではありません。雨漏りも、シロアリも、結露も、その前にずっと小さなサインを出し続けています。ただ、家のサインは人の体よりも見えにくい。壁の中、床の下。ふだん私たちが目にしない場所で、静かに進んでいくからです。

体に健康診断があるように、家にも「症状が出る前の点検」が必要なのかもしれません。私はそう思っています。


見えない不調を、早く察してあげる

私がいちばん気にしているのは、壁の中の結露です。家の高気密化が進んで、ビニールのシートで家全体をぴっちり包む工法が当たり前になりました。たしかに数字の上では性能が良く見えます。でも私は、あれを少し心配しています。

家がビニールで包まれると、本来は壁が持っていた通気性や調湿性が死んでしまう。すると、壁の中で水分の逃げ場がなくなって、目に見えないところで結露が起きることがあります。湿気がたまれば、木は腐り、腐朽菌が出て、シロアリを呼ぶ。腐っていくのは、柱や土台です。人間でいえば、体を支える骨の部分が、内側から少しずつ朽ちていくようなものです。表からはまったく見えません。気づいたときには、けっこう深くまで進んでいる。そうなると、簡単には元に戻せません。

これは、体の中で静かに進む不調とよく似ています。表面のきれいさや数字だけを見て安心していると、見えないところで大事なものが傷んでいく。だから私は、自然素材で、家自身が呼吸できる作り方を大事にしています。化学物質をできるだけ避けて、湿気を吸ったり吐いたりできる家。そういう家は、体と同じで、自分で小さな不調を整えてくれるんです。

もうひとつ気にかけているのが、空気のよどみです。閉めきった部屋の空気は、見えないだけで確実に汚れていきます。窓を開ける。風の通り道をつくる。家の空気も、人の呼吸と同じで、巡っていることが大事なんだと思います。湿気の逃がし方については、こちらでも詳しく書きました。

👉 常滑市の梅雨に強い家づくり|知多半島の気候に合った湿気対策3つの設計ポイント


家のどこを、いつ見てあげるといいか

そんなに大げさに考えなくても大丈夫です。年に一度くらい、ご自身の家の声を聞くつもりで、こんなところを見てあげてください。

まずは窓まわり。冬の朝、窓ガラスやサッシに水滴がびっしりついていないか。結露は、家が「湿気がうまく逃げていないよ」と教えてくれているサインです。

次に、押し入れやクローゼットの奥、北側の部屋の隅。こういう場所はカビが出やすい。黒い点が見えたり、かびくさいにおいがしたら、空気が巡っていない証拠かもしれません。

それから、洗面所や脱衣所の床。歩いたときに、なんとなくフカフカと沈む感じがあったら要注意です。床下に水が回っている可能性があります。外まわりでは、外壁のひび割れや、雨どいの詰まり。雨の通り道が乱れると、思わぬところに水が回ります。

むずかしい知識はいりません。「いつもと違うな」と感じる感覚が、いちばん確かなセンサーです。それは、自分の体の不調に気づくのと同じこと。そして気づいたら、早めに直してあげることが大事です。小さなうちに手を打てば、大ごとにならずにすみます。


気づいてあげられる人でありたい

私は畑で野菜を育てています。今年はナスやキュウリを植えようと思っているのですが、自然農を学んだときに、こんな言葉が心に残りました。「野菜ができなかったとき、種や土のせいにしない。自分が未熟だったから」。毎日よく観察して、小さな変化に気づいてあげること。それが、いちばんの世話になる。

家も、たぶん同じです。よく見てあげれば、ちゃんとサインを出してくれている。早く気づいてあげれば、大ごとになる前に手当てができる。逆に見て見ぬふりをすれば、見えないところで静かに傷んでいく。体も、家も、野菜も、不思議と同じだなと思うのです。

家は、買って終わりではありません。建ててからの何十年を、家族と一緒に過ごしていく場所です。だからこそ、症状が出てから慌てるのではなく、出る前にそっと気づいてあげられたら、家ももっと長く、健やかでいてくれるはずです。

あなたの家は、今どんな声を出しているでしょうか。たまには、家の声に耳をすませてみるといいかもしれません。私が家をつくるのは、その家で暮らす方に幸せになってもらいたいから。家が健やかでいることは、そこに住む人の健やかさに、きっとつながっていると思っています。

家のことで気になることがあれば、いつでもご相談ください。一緒に、あなたの家の声を聞きにいきましょう。



家の「空気感」や自然素材の心地よさ、そして木や土に触れたときのほっとする感覚は、文章だけではなかなか伝わりません。まずは一度、モデルハウスに立ち寄ってみてください。家が静かに体を整えてくれる感覚を、ぜひご自身で確かめていただけたらと思います。

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