漆喰にもいろいろあるので注意が必要です！

まずおさらいで漆喰についてのお話です。

漆喰の原料は石灰岩が主成分です。石灰岩は海の底で積もった貝殻やサンゴの死骸が堆積して長い長い年月を経て石になったものです。その石が高温高圧下にあれば大理石になります。だから大理石もその成分は同じです。貝殻やサンゴでも漆喰をつくることが出来ますが、その成分のほとんどがカルシウムです。

これを1500度程度の高温で焼いて、生石灰というものにします。これに水を加えて水和反応をさせれば消石灰（水酸化カルシウム）になり。これを脱水すると漆喰の元となります。これにスサ（糸くずなどの繊維）やぎんなん草（階層）を混ぜて、割れにくい漆喰にします。ほとんどのものは化学接着剤が入っているので漆喰の本当に良い性能が失われてしまいます。

漆喰・珪藻土のビニルクロスと比較した場合のメリットについて

・燃えにくい

・かびにくい

・調湿効果がある。

・化学物質の分解性能がある。（化学接着材が入ってない場合）

・汚れに強い（化学接着材が入ってない場合）

・メンテナンスが簡単

・意匠性が高い

・エアコンが効く

デメリットとしては、

・ビニルクロスと比較して値段が高くなる

・工期が長くなる。

・職人の手によって仕上げが均等にならない。

などがあります。

デメリットのビニルクロス比較して値段が高くなることは長期的に考えればお値打ちになります。なぜなら自然素材の壁は室内ではビニルクロスと比較して汚れません。また補修も簡単ですのでビニルクロスのように貼り換えをしなくて良いからです。またビニルクロスは静電気でほこりを引っ張ってきますので、壁が汚れてしまいます。エアコンの吹き出し口とは冷蔵庫の廻りが汚れているのを見かけた方もいると思いますが、それは静電気がほころを引っ張てくるのが原因なのです。だからビニルクロスのように定期的に貼り換えをする必要が無く、お財布にやさしいのです。

珪藻土は漆喰と同じで日本で古くから使用されてきた伝統的な建材です。ただし壁に使用されるようになったのはここ20年～30年くらいの短い歴史です。珪藻土を漆喰と比較した時のメリットとしては、調湿性があることです。何故なら漆喰と比較して超多孔質構造だからです。超多孔質構造というのは、小さな穴がたくさんあることです。だからそれだけ空気に接する部分が多いため水蒸気を壁に蓄えることができます。

ただ珪藻土は高温でないと自ら固まる性質でないため、接着剤を使用したものが多いのが現状です。ブログで何度かお話していますが、接着剤は揮発しますので健康に良くありません。また接着剤の入った珪藻土は1ｍｍ程度しかありませんので調湿性が劣ってしまいます。（まともな珪藻土も少なからずあります。）

珪藻土の成分は珪藻（植物性プランクトン）が死んで殻が海底に沈殿して長い年月をかけて積み重なって化石化したものです。今ではあまり見かけなくなりましたがさんまを焼く七輪（ひちりん）は珪藻土（けいそうど）を使用しています。

珪藻土の仕上がりは表面がつるっとした漆喰と違いざらざらな感じで荒い仕上げとなります。好みにもよりますが、でこぼこした荒い壁の雰囲気が好きな方には良いかと思います。

サンマを珪藻土で出来た七輪焼くと遠赤外線効果でガスで焼く時と違い最高においしいですが、外に雨ざらしにしたらぼろぼろになってしまいます。私も外に放置していたら七輪が知らないうちにくずれていました（笑）吸湿性が良いということで浴槽マットが人気で使用されています。

珪藻土を使用したい方は是非接着材に何が使われているのか確認してから使うことをお勧めします。

漆喰や珪藻土は消臭効果、除湿効果、防火性、など優れた性能をどちらとも持っています。耐久性、アレルギーの人への影響を考えると漆喰に軍配があがるかな？（あくまで私見です。）漆喰や珪藻土を新築やリフォームで考えている方は参考にしてみてください。

ではまた！