注文住宅に使う漆喰仕上げで発酵文化を見直そう
2022/09/30
天然素材の中でも一番私がお勧めしている素材の漆喰のお話。伝統的な建築材料で発酵する空間に適しているお話です。
漆喰の歴史は世界の文明文化の発達した国のある建造物の壁は、漆喰で出来ているものが大多数です。スペインも中国も日本もほとんどの家の壁は漆喰でしたがそれは一体どうしてなのでしょうか?一説によると漆喰は「高度な発酵文化の応用」なのです。世界中で大昔から自然発生的に生まれて来た伝統文化の賜物なのです。ご存じの通り日本や中国といった国では、食品を発酵させて、しょうゆやみそなどの保存食品を作ってきました。また、ヨーロッパではワインや生ハムを漆喰壁の部屋で作っていました。漆喰は弱アルカリ性なので、雑菌が抑えられます。
昔設計させて頂いたベーグル屋さんは壁・天井の仕上げを漆喰にしました。漆喰は酵母菌が良く育ちベーグルがおいしくなるそうです。奥様の興味深かったお話が、夫婦げんがをした時には何故か味が落ちるそうです。それだけ菌は人間の意識に繋がっているのかなあと不思議に思います。私も自然農をしていて度々思うことですが色々な野菜を育てていると、その中でも自分が意識している野菜と意識しない野菜との差が出てしまうことがあります。意識を向けることが少なかった野菜の成長の方がいまいちなことが良くあります。これは偶然なのか?意識が野菜が土壌の微生物につながるものなのかわかりませんが不思議です。
その意識が物体に与える影響を実験したものがあります。
それは量子力学の実験で二重スリット実験への意識への影響をというのがあります。アメリカのノエティック・サイエンス研究所が行った実験です。250人の一般人を集めて実験しました。装置のそばに被験者を座らせてスリットの片方だけを光子が多く通るように被験者に強く念じてもらいました。そして左右のスリットを通る光子数に偏りが出るかを検証しました。
なんと!意識を集中した方のスリットに光子が集中した実験結果となりました!統計学的にも偶然でない結果です。
将来量子力学の研究が進んで、もしかしたら人間の意識の作用が及ぼす影響が科学的に解明されて当たり前になる時代が来るのでしょう。
日本でも昔ながらの町でよく蔵を見かけますが、「うちの蔵の菌でうまい酒ができる!」とか「うちの蔵は良い菌が住んでいる!」などと聞くことがあります。手前みそもそうですね。(笑
味噌づくりの実験で数年前にビニルクロスの中に保存した味噌と、漆喰の中で保存した味噌の味を比べをしました。やはり漆喰の部屋に保存した味噌の方が美味しく感じました。
理由として考えられることは、漆喰の部屋は湿度、温度を安定させやすいため微生物が元気に育ち、安定した発酵が可能なことが考えられます。つまり漆喰の部屋で味噌をつくると味噌に自然な発酵環境となり、微生物の多様性と活性を高めて、複雑な風味を出す要因ではないかと思います。
昨年は私が作る味噌と妻が作る味噌の2つつくりました。作る人によって味に違いが出るのか?の実験を兼ねてつくりました。そして数か月前に味噌汁にして食べ比べをしたのですが、私が作った味噌は若干癖があり、妻が作った味噌はマイルドな味でした。妻が作った味噌の方がおいしく感じました(笑 私の手と妻の手についた微生物の麹菌と乳酸菌の比率が違うからなのか?それと他の微生物の違いかはわかりませんが不思議です。
ワインの作り方で昔聞いた話で、今はどうやって作っているかわかりませんが、欧米ではワインをつくるのは若い娘達が足で踏んでぶどうを潰して発酵醸造させたそうです。若い娘の足には乳酸菌が多いからワインが美味しくなるというだということです。
また最近は「除菌!除菌!」とコマーシャルで宣伝しています。部屋内の微生物全体を過剰なくらい除去しているように見えます。人間にとって有用な微生物で、環境や健康に良い影響を与える役割を果たす微生物もたくさんいます。また多くの有害な揮発性の化学物質が入っているので、健康に影響がないのか疑問に思うところです。そして空気中の微生物は人間の健康に大きな影響を与えます。特に免疫力に関係があり、バランスをとるために重要な役割を果たしています。
菌を悪者扱いして、本当に除菌をして良いものなのか疑問に思います。菌と共存していかなければ人間は生きていけないのです。子供達の抵抗力がなくなっているのも、過剰な除菌がひとつのアレルギーの原因という先生も多くいます。漆喰の空間は菌のバランスを整えてくれます。菌と共生するために、これからさらに漆喰を見直されることを期待したいと思います。
ではまた!