シロアリに食べられない天然乾燥材の木は凄い！

2023/09/25

毎年開催している「きこりツアー」に先駆けてみなさんに知って頂きたい天然乾燥されて冬の下弦月に限定して伐採される木が何故シロアリに食べられないかのお話です。

度々ブログで書いてきましたが、改めて整理書きたいと思います。

柱・梁・土台などは家の骨格で大変重要なところです。家を建てた経験がある方でも、どんな木が使われているかを知っている人は結構少ないのが現状です。これから家をお考えの方は是非しって頂きたい内容ですので最後まで読んで頂ければと思います。

何故大切かと言いますと家を長持ちさせること、家の強度が強くなるからです。天然乾燥材の良いところはシロアリに食べられにくくなることと、腐朽菌が発生しずらいため木が腐らないのです。また木の強度が強くなることです。木が強くなるということは粘り強い木となるために、地震時に木に粘りがあるため、「ぽきっと」折れないにくくなることがメリットとして挙げられます。

まず何故乾燥させないといけないかというと、木を木材として使用する際には乾燥させないと木が反ってしまうからです。「木が暴れる」といいますが木が反ってしまうと外壁が曲がり、内装の壁が膨らんでしまうことがあるからです。

では人工乾燥の木と天然乾燥の木の違いは何かを話をしたいと思います。

現在新築の家に使用される木には大きく分けて人工乾燥された木と天然乾燥された木の２種類があります。比率としては人工乾燥９割、天然乾燥の木が１割程度くらいかと思います。人工乾燥の木は炉に入れて強制的に乾燥させます。何故乾燥させるかというと伐採された直後の木は水分を多く含むため、生乾きのまま木を家に使用すると、木が反ったりしてしいますので、床が傾いたり、壁が割れてしまったりするからです。また木の中の水分が少なくなることによって腐朽菌を抑える効果もあります。

人工乾燥に木は前後の高度成長期に増えていきました。何故増えたかというと伐採した木を加工したらすぐに炉に入れて強制的に乾燥させます。早く乾燥させて家に使える為に大量に効率的に木材を流通することができるため、家を量産する出来るからです。

人工乾燥のデメリットは木が元々持っている虫に食べられない成分が抜けてしまうためにシロアリ食べらやすくり、腐朽菌が繁殖しやすくなり木が腐ってしまう確率高くなります。また靭性（ねばり強さ）が落ちてしまい強度が下がることが懸念されます。

一方天然乾燥の木とは、伐採した後に枝葉をつけたまま山林に３か月か以上放置して葉が枯れるまで自然乾燥させます。（葉枯ししといいます。）そうすることによって木の水分が半分程度減ります。そして加工して風通しの良い倉庫に伐採してから１年以上乾燥させます。そうすることによって木が元々持っているシロアリが嫌いな成分（フェノール成分等）が人工乾燥と比較して急激に減少しないため、シロアリや腐朽菌に強い木となります。そして本来木が持っている粘り強さが減少しないことがメリットとなります。

また月齢伐採といって冬の下弦月に伐採した木を使用しています。これは木を伐る時期を限定することによってよりシロアリや腐朽菌に強い木となります。日本では「闇が刈り」と言って一般的に行ていた書いてある書物もあります。昔の人達は経験的に強い木になることを知っていたのかもしれません。何故強い木になるかはある大学の研究データーにもあり、でんぷん質の量が少ないのが原因ではないかとの結果があります。

月のリズムによって人間にも影響があることは色々と言われていますが、植物や木にも影響を及ぼしていることも不思議でもありません。

伊勢神宮の２０年に一回の式年遷宮の木も天然乾燥材の月齢伐採の木が使用されています。