注文住宅で考える無垢材と合板のフローリング・建具のメリットデメリットについて
2022/09/10
こんにちは
現在緑区で進んでいる障がい者施設の現場に行きました。
地盤改良のテスト杭で建物を建てるところの支持層の地耐力があるかどうかの確認です。
重機は近くで見ると、とても迫力があります。
今日は無垢材と合板のお話です。
昔設計事務所に勤めていた時に先輩に「無垢の木」ってどんな木ですか?質問した時に呆れ顔で「そんなことも知らないのか?!」と言われたことを思い出します。
ひのきや杉のように「無垢」と言う名前の木があると思いこんでいたのです。(笑
無垢(むく)とは木がそのまま素材となっているものです。一方合板とは薄い板を何層にも接着剤貼りあわせをしているもので一般的には下地に使用します。
今日は私が推奨する無垢のフローリングの欠点を言います。
床材で無垢のフローリングが増えて来ましたが、量産メーカーやローコスト住宅の会社ではほとんどが合板のフローリングです。
無垢の木の欠点、それは季節によってジョイントに隙間が空く場合があることです。だいたい幅9cmの板で1~2ミリほど空きます。ですからあまり幅の広い床板だと隙間が大きくなり過ぎます。
また建具は無垢そのままだと反ってしまい動かなくなることがあるので、弊社では小さな木を寄せ集めて米のりで貼り合わせた「米のり寄木」というものを使用しています。これで”反り”は相当少なくはなりますが、やはり合板には劣ります。
ドアも伸び縮みがあります。昔からの家はそれが当たり前だったのですが。今では精度の方が重要視されてしまったために、昔ながらの無垢の木が廃れていってしまいました。要はメーカーが量産出来て、クレームの少ないものを優先してしまった結果なのですが、無垢を使った場合でも、伸び縮み対策をしっかりやっている建具を選べば良いと思います。
あとはコスト的に無垢材の方が高いことです。
メリットとしては、無垢材はなんと言っても快適さや居心地の良さは合板にシート貼された材料よりも圧倒的に良いことです。
そして調湿性があることで、室内の湿度を調整してくれます。またシートの貼ってあるフローリングや建具は傷つけると合板の下地が見えて補修が大変ですが、無垢材は金太郎あめのように同じ素材なのでさほど気になりません。
長期的に考えた場合に合板の床は、板を何層にも接着剤で貼り合わせているため接着剤が劣化した時に剥がれてしまいます。床全体を貼り換えを検討しないといけないかもしれませんので将来的に余分なお金がかかってしまう可能性があります。
そして無垢材の一番のメリットは化学物質の接着剤を使用していないので、空気を汚さないというところです。(接着剤を使用してるメーカーもあります。)
人それぞれ好みがありますのでよいと思われた方を択すれば良いかと思います。
隙間や節が気になる方は合板のフローリングを、室内環境を気にされる方は無垢のフローリング材を選択されれば良いかと思います。
ではまた!